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生きるよすがとしての神話 (キャンベル選集)

生きるよすがとしての神話 (キャンベル選集)
ジョーゼフ キャンベル
角川書店
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アメリカの神話学者、ジョーゼフ キャンベルの本。
最近パラパラと読んでるのですがおもしろい。この本では長年、神話について研究してきたキャンベルが、神話を起点に芸術や哲学、現代の人間社会についてユーモアを交えて語っています。世界中に散らばる古今東西の神話には共通のモチーフやテーマがあるという。

神話と人の精神構造

科学の進歩もあって神話が実際に起こった出来事だとは信じている人は減ってきている時代ですが、神話というのは夢とか精神病患者が見る心の奥深くにある神秘的なイメージや、人間の精神構造を写し出したものだと思うと興味が出てくる。つまりそれは、「人間ってなんだろう、どうやって生きていったらいいんだろう」(ってすごく漠然としてますが)という生きてるとたまに思いを馳せちゃうような時の疑問に対するヒントが神話にはあるという事じゃないかと。(キャンベルはこのような自問をして答えを定義づけてしまうと〜勢いを失う〜「もはや未来に向かってほとばしる事はなくなってしまう」ということも書いています。)

村上春樹と神話

村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の中で、『主人公の精神(脳)中の最奥にある核となっている部分が一つの物語となっている。』っていう設定があったけど、それに似ていると思った。村上春樹の小説の不思議な魅力は神話的だと思う。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

「これだけは、村上さんに言っておこう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける330の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?

神話の魅力。神話に落ちはない

この本の中で古今東西の神話出てきますが、神話って物語とはいっても、特別落ちがある話とかはないです。なんかよく分からない不思議な話が淡々と続いて、特に落ちもなく終わります。ハリウッド映画みたく、途中ハラハラドキドキしたり、最後にハッピーエンドになって感動したりということはなく、かといって何か教訓を得たりというのでもない(中にはそういう話もあるとは思いますが)、基本的には不思議な人や物事や動物や神がおりなす淡々とした物語になっている。しかしそれが、面白くないかというとそんなことはなくて、妙に引きつけられてしまう魅力が神話にはある。引きつけられるのは多分、私たちの精神の奥にあって、言語化できない感情とか深層心理が神話の中には表現されてて神話を読むと心が落ち着くというかフィットする感覚があるからだと思う。

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